前回はアナログ半導体企業の企業規模と生産性を
調べてみましたが、
引き続いて、今回は収益性を見てみたいと思います。
比較企業については、IDMのアナログ半導体企業です。
前回の結果より生産性の高い$TXN,$SWKS,$QRVO,$POWI,ルネサスは
ちょっと期待できそうだという話でした。
今回の収益性ではどうでしょうか?
まず、本業の利益を表す「営業利益」に関してみてみます。
過去5年の平均と過去5年でも営業利益が安定しているか?ということで
分散値も一緒にグラフ化してみました。
営業利益率は、$TXNが平均38%!!日本の企業では考えられないです。。。しかも分散値は小さく、安定して高い利益率を確保できています。
$SWKS,$ADIも非常に優秀ですね。
日本は10%前後のところでした。日本の製造業の営業利益平均が4%と言われているので、まあ悪くはないですが、海外勢と比較すると、
やはり見劣りしてしまいます。
反対に$POWI,$NXPIは分散値が高いため、営業利益率のばらつきが大きく、安定していない印象でした。
分散値に関しては、増益、減益の差が大きいパターン、急上昇、急落と様々なパターンがあるので、実際の営業利益率の推移も見てみます。
$TXN,$SWKSは高い利益率で安定しています。
$NXPIは上がったり下がったりの不安定型に対し、$POWIは2019年に利益率10%→50%になったがための高分散値ですね。これは良い結果です。こんなに急上昇っていったい何があったんだろ。
営業利益は本当に会社の色がでますね。30%超え組と10%組で結構くっきり分かれることがわかりました。また、伸びている企業と落ちている企業もはっきりわかります。
最後に、自己資本比率も見てみます。自己資本は公開株で集めたお金、設備などの資産等、返さなくてよい資産です。これが高ければざっくりいって無借金経営に近く、あまりに低ければ、利益が出ないで急激に売り上げが落ちた場合に資金がショートしやすくなるので、注目ポイントです。
自己資本比率に関しては、みなさん40%超えでそこそこな結果で安心しました。
製造業の自己資本比率は40%のため、みなさんそこはクリアしているようですね。
ここでは、$SWKS,$POWI,ローム,$QRVOが高め(70%超)でした。借入が少なく自己資本で会社が回っているといえます。
※ただし、自己資本の中身がキャッシュなのか貸付金とか設備とかその辺は確認していないので、本当に安全なのか?というのは、しっかりと調べる必要があります。
では、まとめです。
・$TXN,$SWKSは、高利益率を5年間維持。営業利益率はほぼ30%を超えており、利益が出せるビジネスができている。
・$POWIは2019年に営業利益率が10%→約50%に上昇。何があったかわからないけど、ものすごいパフォーマンス。
・$SWKS,$POWI,ローム,$QRVOの自己資本比率が高く、財務は安全な企業の印象。
ということで、今回は$TXN,$SWKS,$POWIがリードしました。
ルネサスは、残念ながら脱落です。
今回の結果で見てみれば、日本勢ではロームがイイですね。利益率は10%をだいたい超えていて、分散値小さめ。自己資本比率は80%と日本企業では企業規模が一番小さかったけどイチバン優秀。
結果発表
・「$TXN,$SWKS,$POWI」の3社が最強!(労働生産性◎、利益◎、財務◎)
特に$POWIは、規模ば小さいので伸びしろがまだまだあるため、今後期待できます。
・日本勢なら…ロームですかね。1株高いけど。パワー半導体がいいのかな。シリコンカーバイトなんてどうなんだろうか。
次は上記の注目銘柄に絞って、今後の決算見通しを確認してみたいと思います。
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